「あいつと上手くやっていけるんじゃない?」
紗凪の背中を押してあげること。
それなのに、俺に意見を聞いた本人が驚きの表情を見せるものだからこっちが戸惑った。
「な、なんだよ?」
「來生くんはてっきり認めないのかと思ってたから」
「俺が頑固親父みたいなことでも言うと思ったか?」
「いや、そうじゃないけど……」
彼女は口をモゴモゴさせた。
言うか言わないべきか迷った挙句、紗凪は恐る恐る言葉を発した。
「來生くん、私に会わないようにしてたでしょ?」
「……」
なにも言えなかった。
紗凪に距離を取っていたのは事実だ。
だけど、本当は紗凪のことが心配で遠くから様子を見ていた。
「薪原さんと初めて会った後から、家に帰ってこないし」
「別に俺はこの家に住んでいない」
「なんでそんなこと言うの。2年も一緒にいるのに」
「男が嫌いなくせに従兄弟だからって部屋に招き入れたのはそっちだろ」
紗凪には感謝することたくさんあるのに、彼女を咎めてしまった。



