「こちらの席でお待ちください」 にこやかな店員さんに案内された二人掛けのおしゃれなテーブルに、何となく緊張してしまう。 こんなんじゃ、まるでほんとに好きになっちゃってるみたい、実際にそうだったらどうしよう。 家を出るとき、死ぬ準備をしていたはずなのに、もはやデートの準備だったことになっている気がする。 「クレープ、楽しみだな」 真正面から聞こえてくる声に、なぜか顔があげられない。 「そう、だね。私も楽しみ」 なんだか、声も変になってしまったかもしれない。