「――…信じてあげなよ、漣のこと」
そう言って、重ねていた手を離す。
やっぱり僕では彼のかわりにはなれないと、痛いほどわかっているから。
しばらくお互い無言のまま車を走らせて、真帆が暮らすマンションの前に着いた時。
「湊、ありがとね」
真帆がそう言って微笑んだ。
最初に合った時とは違って、何かが吹っ切れたような笑顔。
「おやすみ」
真帆が車から降りて、僕はまたそのまま自宅へと車を走らせる。
……これで、良かったんだよな。
自分に言い聞かせる。
その時、カーステレオから流れてきた曲の歌詞があまりにも今の自分と重なって胸がしめつけられた。
“見守る恋もある”
明日からも僕はきっと
この想いを抱えたまま
君の恋を見守っていく
♪イメージソング
『Route5 BayshoreLine』/GLAY
『君が呼ぶのなら』/藤田麻衣子


