さっきまでの疲れと眠気がウソのように、気づけば僕は真帆が暮らすマンションへと車を走らせていた。
今度は何があったんだろう。
今まで幾度となくこんな風に電話がかかってきては相談に乗ってきた。
その度に“もしかしたら”なんて淡い期待を抱いては、打ち砕かれてしまうのに。
それでもこうして夜だろうとバイト帰りでクタクタになっていようと、君のもとへ駆けつけてしまう。
彼氏と会えなくて寂しい時に慰めてくれる都合のいい男だと思われていたとしても。
ただ友達という立場を利用されているだけだとしても。
―僕は、ただ君のことがどうしようもなく好きなんだ。
「私の誕生日、急に仕事入ってキャンセルされちゃって。それでケンカになっちゃったの」
そう言いながら、真帆が自嘲気味に笑った。
その笑顔は痛々しくて、無理してるのがわかりすぎて、僕の方が苦しくなった。


