全力コンパス〜四神の恋は予測不能?!〜 ある日突然イケメン幼なじみの婚約者になっちゃいました!

その日の夜また私は懐かしい夢をみた
四人の男女の中の一人の男の子が私に話しかけてくる夢を

朝、私はいつものように目覚まし時計の音で目を開けた
またこの夢か…
私はこの夢をよく見る。この夢に出てくる人たちは私のよく知っている人たちだった
私には四人の幼なじみがいる
小さい頃から私は内向的で友達も少なかった
だけどある日一人で公園に行くと同じ小学校に通う男の子、南月青葉君が「いっしょ遊ぼう!」と言って青葉君と青葉君の仲の良い3人の友達の輪の中にいれてくれた
いつもいっしょで隣で励まして勇気を与えてくれた青葉君を私は好きだった
だけど私は中学受験で小学校高学年の時から遊ばなくなり疎遠になった
昨日私が会ったのは南月青葉、同姓同名の男の子
いや、本人なはずない!だって青葉君ってもっと無邪気だったしあんなツンツンした感じじゃなかった!
初対面の人にあんたとかいう人では絶対なかったし気づいてたら言うだろうし・・・でも同じ名前だよ?!なんとなく顔に面影もあったし
でもー?!

昨日の帰りにまた話したいから金曜の4時30にまた迎えにくるって言われた
こんな状態で金曜までもつかな?!


こんなぐるぐるした思いを抱えながら時間はたちあっというまに金曜日になった
ピンポーン
家のインターフォンがなった。誰が来たかなんて考える必要もない
私は走って玄関に行きドアを開けた

「こんにちは。えっと・・・」

なんて呼ぶべきだろう。私は考えた末…

「…南月君、こ、こんにちは、です…」

「…あぁ。…とりあえず俺の家、来て」

前回と同じように高そうな車に乗るよう促される
そのまま車に乗せられ30分ほど走り目的地に到着した
これはまたすごいな
北神家と同様すごい豪邸

男子の家に行くの初めてかも!とか緊張してた私がバカみたい
これは家というレベルじゃない
そのまま私は応接間のような場所に誘導され南月君と一対一で向き合った

ー気まずい・・・
何か話すべきだろうかと思って内心あたふたしていると南月君が話始めた

「とりあえず…北神さん、これからよろしく…えっとまず陰陽師の説明をしたほうがいいな。えっと、陰陽師の簡単な説明はこの前しただろ?」

「はい。えっと霊を祓うお仕事ですよね」

「うん。そう。てか年いくつ?俺中3なんだけど」

中3なんだ…
多分、気を使ってくれたんだと思う。私の年齢なんて知ってるはずなのに
…それにしてもますます本当に青葉君なんじゃないかと思ってきた

「…私も中3、です」

「じゃあ敬語はずせば?その方が楽だろうし」

やっぱり優しい
このさりげない優しさが青葉君っぽい

「はい、じゃなくて⋯うん」

その返事に満足したのか少し口角を上げた、ような気がした
そしてまた話し出した

「陰陽師は四神、東西南北の力を使って霊を祓うんだ。そして一番その加護を受けているのが北神家、南月家だ。その後に東家、西園家と続く。そして2トップの北神家と南月家は組を作って支え合う。任務の時にもいっしょに行動する」

彼は淡々と陰陽師について語りだした
「私、霊を祓ったこととかないんだけど⋯」

「大丈夫。南月の分家で北神さんの特訓の講師をしたいって言ってる人がいるから」

陰陽師じゃないのに霊祓ってら普通に怖いし、なんてツッコミも添えながら答えてくれた
それにしてもド素人の私に教えてくれるのはとてもありがたい!

「だけどその人、悪い人じゃないけどけっこうクセ強いんだよ。まぁ実力は確かだから大丈夫だと思うけど」

南月くんは心配そうに眉を若干顰めた(気がする)
私にとったら表情が全然変わらない南月君も結構変な人なんだけどその人がクセ強いって言ってるのって大丈夫かな
…それでも私に教えてくれるのだから感謝しかない

「そうなんだね。とりあえずその人に教わればいいの?」

そしたら南月君は私の様子を伺うような表情で訪ねてきた

「実は陰陽師だけが通う学校があるんだ。北神さんにはそこに通ってもらいたいと思ってる。全寮制だから今の友達と会えることも少なくなるかもしれないんだけど⋯」

友達?私にそんな不安は御無用だ。そもそも友達もいないし
特にあの学校にこだわりがあるわけじゃない

「そこは大丈夫。転校するよ」

南月君は一瞬驚き安堵の表情を相変わらず薄く浮かべた

「分かった。こっちで転校の手続きはしとく。本当に急で悪いけど来週の月曜日から新しい学校に通ってほしいんだけど⋯」

「分かった。それまでに私は転校の準備をしておけばいいね」

「ああ。日曜日に学校に移ってもらう。それまでに必要な物を段ボールなんかに詰めておいて」

その後、話すことは特になかったため話は終わった。屋敷から出る頃には外は暗くなっていた。

「高柳、北神さんを家まで送って」

南月君は隣にいるスーツの男性に声をかけた。

「かしこまりました。麗様、私は青葉様の身のまりのお世話をしております、高柳でございます。これから何か分からないことがあれば私にお聞きください」

その後南月君の別れ車に乗りこんだ。そして高柳さんが話しかけてくれた

「麗様。青葉様は少しぶっきらぼうなところもありますがとてもお優しい方なのです」

そんなの分かってる。最初会った時はなんだこいつ!失礼な!って少し思ったけど今日話ていて私のことをすごく気にかけてくれているのが伝わってきた
無愛想だけどきっと不器用なだけなんだろうな

「分かっています。組が南月君で良かったです」

高柳さんは私の言葉を聞きうれしそうな顔をして運転に集中し始めた
私の言葉は心ににいつまでも消えることなく温かく残り、車は真っ暗な夜の街を駆け抜けていった