奇跡。

全てを言葉に乗せて吐き出した瞬間。


私は初めて、新鮮さを味わった。


視界なんて、滲まない。


涙なんて、出てこない。


世界には、一秒に一回は必ず誰かが泣いている。


なんか、すごい。


こんな風に思うのは、おかしいかもしれないけど。


一人で、夕方の公園で。


叫ぶ。


なんだか、主人公になったみたいだ。


誰も見ていないんだから、どうでもいい。


もはや周りの目なんて気にしない。


多少警戒はあるけど、自由だ。


たったこの一時でも、自由になれた。


好きだよ、空気。


好きだよ、世界。


好きだよ、みんな。


その みんな というのは、なんだか分かる?


同じ辛さを経験してきた人たちに向けて。


別にその人限定じゃない。


ただただ、そう想いたかった。


好きだよ。


私は風を受ける。


綺麗で、冷たかった。


普段なら最悪……、と思うはずのそよ風が。


今この時間では、とても憧れのような響きをもっていた。


私は静かな深呼吸をして。


自殺しようと、心に決めた。