奇跡。

「あんたってほんとブスだよねぇ!」


「死んじゃいなよ。早く。」


「あははっ、ほんとそれ。」


旧校舎の三階女子トイレ。


頭皮が痛む。


痛い。苦しい。悔しい。恥ずかしい。


────死にたい。


クラスの野口、山田、原木。


世界で一番、大嫌いな人。


私の事、下等生物だと思って見下してる。


そんなひねくれた奴、死んじゃえばいいのに。


野口、山田、原木が。


この世界から、消えてくれますように。


毎日そう願ってきた。


でも結局結果は変わらない。


いじめから救われる感動ストーリーみたいな、そんなおめでたい話なんて現実にない。


誰も助けてくれない。


助けを求めたら、状況が悪化する。


私には、逃げ場がない。


途方に暮れていると、飽きたのか三人は押し黙った。


「……つまんな。」


「また100倍返しにしてあげるから。」


「相変わらずキモイ顔。整形しないと生きていけないんじゃない?」


捨て台詞を吐き、ゴミを見るような視線を向けて去って行った彼女たち。


助、かった……。


安堵。安心。


涙が零れる。


……どうやったら、どうやったらアイツらを殺せるんだろう。


復讐したい。


これ以上ないってほどやり返したい。


そんな黒い感情が胸の中からじわじわと生まれてきた。


それに自覚する暇もない程、私は視界が狭く──。


限界だった。