角を曲がって少し行くと、小さな公園が見えた。それは砂場とブランコがあることで、公園であることを私にアピールしていたが、そうでなければ、ただの空き地といった感じの小さな、小さな公園だった。

『ワンダー公園』

うわっ!昭和テイストがここにもあったよ。なんかレトロなネーミングセンス。

でもきっと、この公園が完成したてでピカピカの頃は、近所の子供たちの夢が集まる希望に満ちた公園だったんだろうな。

今は寂れて誰もいない…あれ?砂場に何かいる。


犬だ!ちっちゃい、茶色のトイプードル。

プードルは砂場に頭を突っ込んで、そのかわいいお尻と尻尾だけを出してフリフリと振っていた。

「かわいいっ!何してるんだろう」



私は公園の入り口と思しき柵の切れ目から中に入り、砂場にいるプードルの所へ歩み寄った。

「ワンちゃん、何してるのお?」

私はプードルに話し掛けた。プードルは私に気付いて砂場から頭を出して私を見た。プードルは前脚で砂場に穴を掘っていたのだ。

プードルはじっと私を見つめると、人間のような仕草で首をかしげてみせた。

「君どこから来たの?」

仕草だけでなく、言葉も話す。



言葉を話す……?



「しゃ、しゃべったーっ!!」