好きになった人は、みんなのアイドルで 2

ーー悠太郎サイド

「お待たせ」
紬ちゃんが駆け寄ってくる。
……この子が、俺の彼女。
「紬ちゃん、おつかれ」
「ありがと」

来週、クリスマスだけど、紬ちゃん会えるかな。
「来週、クリスマスじゃん。どっか行く?」
「うん!行く!あ……でも、クリスマスもイブもバイト。ごめん」
紬ちゃんが空いてるって言ったら俺は練習を休むつもりだったけど、
バイトなら仕方がない。
「あー俺も練習あるわ。じゃあ、カフェで会えるね」
「うん……」

あからさまにしょんぼりする紬ちゃん。
どっか出掛けたかったのか。かわいい。

「今週末は?予定入ってる?」
ダメ元で聞いてみる。
スタジオの予約は取ってるけど、
紬ちゃんと会えるなら予約はキャンセルすればいい。
「え、日曜日、なんにもない」
(まじ?やった!初デート!)
「やった!俺も。……どこ行こうか」

こういうのは男が決めた方がスマートなんだろうと思いつつも、
女の子と付き合うのが初めてだから分からない。
素直に聞いてみる。紬ちゃん、行きたいとこあるかもしれないし。

「紬ちゃん、何が好き?」

「……水族館」と小さい声が返ってくる。
「水族館、行きたい。……笑わない?」

不安そうに見上げる顔がかわいい。
かわいすぎて笑いそうになる。

「なんで笑うと思ったの?水族館、行こう。」
「……子供っぽいかと思って。」
「そんなことないよ。水族館、楽しみ。日曜日行こう」
「うん、楽しみ!」

弾ける笑顔の紬ちゃんが眩しい。
ああ、こんな日がずっと続けばいいな。