好きになった人は、みんなのアイドルで 2

カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」
悠太郎くんが入ってくる。

いつものようにイヤホンを片耳外してレジに来る。
目が合う。
何故か照れて笑ってしまう。

「紬ちゃん、おつかれ」
「おつかれさま、悠太郎くん」
「アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました!」
「今日も22時?」
「うん、待ってて」
「分かった、待ってるね」

今までと変わらない会話なのに、なんだかくすぐったい。

「お待たせしました、アイスカフェラテです」
「ありがと」
渡す時に一瞬、指先が触れる。
ドキッとして悠太郎くんを見ると、悠太郎くんの耳が赤かった。

「ねえ、付き合った?」
夏帆先輩が聞いてくる。え、鋭すぎ。
「え、え……なんでですか!」
「いやーなんか、空気感?甘酸っぱい感じがした」
「夏帆先輩、鋭すぎぃ〜……」

真っ赤になって何も言えないでいると
「良かったね、おめでと。ずっと見てたもんね」と笑われる。
「……はい、ありがとうございます」

今日の帰り道は何を話そう。
アイスカフェラテを飲みながらノートを書く悠太郎くんをチラッと見る。
今までと同じだけど、今までと違う。
その違いが、少しだけ嬉しかった。