好きになった人は、みんなのアイドルで 2

カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」
悠太郎くんだ!

いつものようにイヤホンを片耳外す。
「紬ちゃん、おつかれ」
「おつかれさま、悠太郎くん。今日ちょっと遅かったね」
「うん、レッスンの後、碧と練習してた」
「そっか、おつかれさま」

最近、悠太郎くんはカフェに来る時間が遅くなった。
NOVAに一緒に出ていた碧くんと
スタジオで残って練習をしているらしい。

(……今までも本当は練習したかったのに、私の帰り時間に合わせて来てくれてたのかな。)
私の存在がアイドルの夢の邪魔になっていたら、それがいちばん嫌だ。
多分聞いても、言ってはくれないけど。

カフェに来る時間が遅くなったのと同じくらいから
心做しか、前より真っ直ぐな顔をしている気がする。
上手く言えないけど。

(……なんか心境の変化があったんだろうな)

近いうちに、悠太郎くんが私に話してくれたらいいなと思った。
……ちゃんと、聞くから。