Something Blue


第一競技のあみくぐり、第二競技のボール運び、第三競技の大玉転がしが終わり、最終走者である僕と西は襷(たすき)を受け取った。

受け取った襷を肩にかけ、お題の入った箱から一枚紙を引き抜いて中を確認する。

『英コミュの先生』

うちのクラスの担任・見原は英コミュの先生なので普通にクリアできそうだ。

ほっと安堵の息をついたその瞬間、西が焦りと困惑の表情で僕を見てきた。

「なあ笠原、お題交換してくんね…?」

僕は特に何も考えずその提案を了承し、西から受け取った紙を開く。


『彼女(彼氏)・好きな人』


「は…?」

紙に書かれていた文字を見て、思わずフリーズしてしまう。

「ちょまじ一生のお願い!俺彼女も好きな人もいーへんから!」

無意識に出てしまっていた僕の困惑の声を敏感に聞き取った西が、手を合わせて必死の形相を浮かべる。

「えー…まあ、いいよ…」

「あざす!」

西が走り去っていくのを見届け、僕は彼と交換した『彼女・好きな人』の紙を片手にのろのろとD組のテントに向かう。

もう引き返せない。覚悟を決めて僕は駆け出し、D組のテントの喧騒をかき分け、織宮さんの手を掴んだ。