『次の競技は障害物競走です。出場する生徒は待機場所に移動をお願いします』
クラスのテントで緋由と悠と喋っていると、アナウンスが体育館に響いた。
「さ、移動移動」
緋由が体育館シューズをきゅっきゅっと鳴らしながら待機場所に向かっていく。
その数歩後ろを歩いて待機場所に到着すると、「一緒がんばろ」と誰かに肩を叩かれる。
振り返ると、そこにはうちのクラスの陸上部の男子・西が腰に手を当てて立っていた。
「せやな」
無難に応答して、借り人競走の出場者列に並ぶ。
「なんか変なお題やったら交換してな」
「うん」
西とは会話が続かないまま、手持ち無沙汰にぐるりと体育館を見渡す。
3年生の玉入れが終わり、床に散らばったカラフルな玉がどんどん片付けられていく。
『障害物競走、第一レースに出場する生徒はスタート位置に移動してください!』
アナウンスが体育館に響き渡る。
僕は西と横並びで、障害物競走のスタート位置に走った。



