Something Blue

 
織宮さんが僕の彼女になってからちょうど1週間、木曜7限のLHR(ロングホームルーム)。

僕は窓際最後列の席で、見原から配られた【今年度の体育祭 案内】のプリントに目を落とす。

「…というわけで、今年の陽華(ようか)祭体育の部の種目は玉入れ、障害物競走、台風の目、100m走、団対抗リレーです!」

うちのクラスの体育委員の女子・若村(わかむら)さんが、ラフに結ばれたポニーテールを揺らしながら教卓から僕たちに指示を飛ばす。

その隣で眠そうに目を細めながらプリントに目を落としているのが、若村さんと同じ体育委員である悠だ。

「なんか希望ある人いますかー?」

若村さんの一言で、さっきまでがやがやと騒がしかった教室が水を打ったかのようにしんと静まり返る。

「んー…友達と相談しても大丈夫なので、自分の出たい種目を決めてくださーい。決めたらわたしか坂倉(さかくら)くんに言ってー」

消極的な態度で若村さんが教壇を降りて友達のところに向かったので、僕もなんとなく緋由の方に行ってみることにした。

「お前種目決めた?」

席に向かう途中、緋由が席を立ち上がって僕の方に近づいてきた。

「まだやな…台風の目出ようかなってくらい」

「俺も出よっかな…あと障害物競走」

緋由と喋っていると、悠が後ろから僕の肩に手をかけてきた。

「障害物競走俺も出るー」

悠に一方的に体重をかけられてバランスを崩しそうになりながら、僕は織宮さんと彼女の前の席の女子の会話に耳を澄ませる。

「…足速いから…って!」

「えー…真桜(まお)ちゃ…ケ部やからいけ…」

距離が遠いせいで、会話の内容は断片的にしかわからない。

だけど、織宮さんが笑う気配はどれだけ離れていてもわかってしまうものだ。