Something Blue


【結羽 スタンプを送信しました】

改札を抜け、3番ホームで3分後に到着予定の電車を待っているとポケットのスマホが震えた。

通知をタップすると、さっきまでは何もなかった織宮さんとのトークルームに彼女からのスタンプが1つ届いていた。

『よろしくです!』

三つ編みの女の子が敬礼しているスタンプに、僕も無難にお辞儀するクマのスタンプを返す。

3秒ほど画面を睨んでも、画面は全く変わらない。

僕はカバンからワイヤレスイヤホンを取り出し、右耳につけて『トップ50 -日本』のプレイリストを表示させる。

緑色の再生ボタンを押すと、よりにもよって女性アイドルのきゃぴきゃぴした恋愛ソングが流れ始めた。

『好きです』

甘ったるい砂糖菓子のような歌声をどかして、衝動的に織宮さんにぶつけてしまった言葉が、僕の声でリフレインする。

『まもなく3番ホームに、新快速U駅行きが参ります』

僕は無意識の間に踏んでしまっていた黄色い点字ブロックからそっと1歩離れた。

遥か遠くから、新快速が滑り込んでくるのが見える。