傘♡恋

 一緒に行動できる事になった俺達は一緒に市内を回る事になった…

 莉緒は俺達と行動していても戸惑っているようだ。何となく男達と距離を取り、俺達は避けられている感が拭えない…

 一緒に入った昼食所で一緒にラーメンを食べた俺達はやっぱり話せず、莉緒は裕人の隣に座って照れたように辿々しく話していた…

 「緑川さん、俺今日から下の名前で莉緒ちゃんて呼んでもいい⁇」
 
 「えっと…はい…じゃあどうぞ…」

 受け答えまでピュアで可愛い。でも裕人が馴れ馴れしく下の名前で呼ぶ事に違和感を覚えて嫌だった

 (……この俺が嫉妬かよ。しかも気になる相手を目の前にして何も喋れないとか格好悪過ぎ……)

 結局俺は一緒に回っている自由時間の間、自分から莉緒に話しかけられなかった








自由時間も終わりになろうとした時、ポツポツと雨が降ってきた。格好悪いからといつも雨具を持たない俺は降り出してきた雨に濡れてしまう。取り敢えず走ろうと足を早めた

 「……良かったらこれどうぞ……」

 背負っていたリュックからピンクのチェックの折り畳み傘を出して俺に差し出したのは、まさかの莉緒だった。俺は一瞬驚いて息を呑んでしまう…

 「……ああー。でも、その傘貰ったら莉緒が濡れちゃうでしょ⁇」
 初めて“莉緒“と名前を呼んで柄にもなく照れてしまった。莉緒は「そうだけど、立花くんが濡れちゃうから…」
 莉緒は恥ずかしそうに下を俯いている。そんな姿も可愛いなと思った…

 「じゃあ、一緒に入ろう」
 莉緒から差し出された折り畳み傘を受け取った俺は、バスまでの数百メートルの道を2人で相合傘して歩いた…

 莉緒がどう思っているかは分からないけど、このまま時が止まればいいのにと思える程、緊張してドキドキした時間だった