「さようなら」

でも、西山くんはデートの度に毎回のように遅刻してくる。ちゃんと時間までに来たのは、両手で数えられるくらいかな。

その度に、謝罪に加えて理由を言う。それは、いつしか言い訳にしか聞こえなくなっていた。

1番理由で衝撃だったのは、1時間くらい遅刻した時に「お風呂入ってて……」って言ってた時。

あの時は、怒ろうかって思った。結局は、怒らなかったけど。西山くんがすぐに別の話題に切り替えたことによって入る隙が無くなって、怒ることすら忘れていた。

そこまで思い出していた時、また携帯がピコンと音を立てる。

それと同時に、焼いていたパンが焼ける音がして、私はパンを皿に移すと半分ぼんやりとしながら作っていた朝食を机の上に置いて、手を合わせる。

「いただきます」

本当は行儀が悪いって分かってはいるけど、通知が気になって、私は朝ご飯を食べながら携帯の電源を入れた。

ようやく、待っていた西山くんからの返信が来た。

『返信遅くなってごめん。仕事が忙しくて……じゃあ、×日に会おうよ!』

次の西山くんとのデートの予定。この日なら空いてるって私が言った日は、今日を含めてももう1週間はない。

社会人になってから、返ってくるスピードがさらに遅くなった。

最初は、2~4日で返信が来ていた。段々と4~6日、1週間以上と間隔が空くようになった。