君に「好き」を伝えたくて


そして始まる新学期。

1ヶ月ぶりに腕を通す制服に心躍らせ、学校に向かった。

クラスには知ってる人はいなかった。

訳あって元々休みがちな私は、なんとなく敬遠されていて、人が近寄ってこない。


誰と挨拶を交わすわけでもなく、指定された席に座って、なんとなくSNSを眺めていた。

1人ぼっちだけど、私にとって教室は、特別で羨望の対象だった。

病室なんかよりずっと。


「ねえ、藤井さん?下の名前何?」


急に声をかけられた。

前の席の、高本くん。

私の机に肘をついて、にっこりしている。

整った顔立ちで、女子から人気があるのは、1年生の時から知ってる。


「芽依だよ」

「俺京介!よろしくね!」

「うん、よろしく」


やたらニコニコしていて、前に向く様子もない。

不思議に思っていると、


「クラス同じになるの、初めてだね!」

「え、あ、うん」


認識されていたのか…と、少し照れる。


「あ、そうだ。連絡先教えてほしい!もっと仲良くなりたいんだー」

「あ、いいよ」


随分グイグイくることに少し戸惑う。

こういうのには慣れていない。


「ありがとー!…おっと、先生来る!また後で話そ!」

「…うん」