君に「好き」を伝えたくて


気付いたら病室にいた。

20時近かったけれど、両親と京くんがいる。


「芽依、目が覚めた?」

「うん…」

「京介くんって子が、病院まで付き添ってくれたのよ」

「…うん、彼氏」


お母さんが驚いたような顔をした。


「お付き合いさせてもらってます、高本京介です」


元気の無い声だった。


「私はもう大丈夫だから、京くんはもう帰って大丈夫だよ」

「いついなくなるか分からないのに、帰れるわけないじゃん!」


珍しく声を荒らげた。


「好きな子の命が、消えかかってるのに…のうのうと帰れる彼氏がいるものか…」


京くんはしゃがみこんだ。


「京介くん、気持ちは分かるけど、面談時間過ぎてるから、また明日、来てもらってもいいかな?」

「…分かりました。芽依、ちゃんと生きててね」

「約束はできないけど頑張る」

「…また明日」


京くんは、悲しげに帰って行った。