私が一緒に暮らすのは、人気ゲーマーでした

穂高くんって小さい動物好きだよね、授業中にカラス見てたし。


トコトコとアリは巣に戻っていってる。
前はアリ苦手で見るだけでゾワッてしちゃってたけど、
こうやってみるとかわいいかも。


「かわいいですね、アリ」
「でしょ」


穂高くんはなぜか誇らしげに、
ドヤッとした表情でわたしを見る。


もし弟がいたらこんな感じなのかな〜
ファンクラブの子たち弟的な感じで守りたくなっちゃわないかな?


……なるか。


* * *


「……穂高くん」


あれから約5分。
穂高くんはしゃがんだまま、ジッとアリの巣を観察していた。


「あの……」


おずおずと声をかけた。
だってめちゃくちゃ見てるんだもん、なんか声掛けずらいよ!


「……川瀬。もうちょっとだけダメか?」


穂高くんはしゃがみながら、綺麗な翡翠のような瞳をわたしに向けてくる。
それにダメと言える訳もなく……


「あと、もう少しだけですからね!」


あぁ、やっちゃった。わたしって穂高くんの瞳に弱いみたい。


ワンワンッ


……なんだろう。音のなるほうに目線を向けてみたら、ワンちゃんが鳴いていた。


めっちゃかわいい!
何を隠そう、わたしは大の犬好きなのだ。


突然現れたもふもふに、わたしは「ハワワ」となってしまう。


「穂高くん!!かわいい犬ですよ
……穂高くん?」


わたしが声をかけても返事がなかった。
あれ?って思って穂高くんを見たら……

めちゃくちゃガクブルとしていた。
もうなんか、こっちの方が犬?ってくらいには。


穂高くん犬苦手なのかな。
わたしは落ち着かせようと、肩に手を乗せる。


「あの……。犬は噛みませんよ?」
「いやっ……別に怖くないから」


謎に穂高くんは強がっててちょっと不思議。


ワンちゃんは穂高くんの様子が気になったのか、「ワンッ」と、嬉しそうな鳴き声をあげた。


やめてあげて……
穂高くんのライフはゼロだよ!!


「あのっ……すみません。
こらきなこ!人に吠えちゃダメだよ?」


飼い主さんは焦った様子でワンちゃんに注意する。
するとシュンッとうなだれちゃって……めっちゃかわいい!


思わず「ウッ」となりそうになった声を抑える。


すると飼い主さんがわたしの撫でたがっている視線に気づいたのか、
「撫でますか?」と声をかけてくれた。


「えっ、いいんですか!?」
「大丈夫ですよ、だってすっごい撫でたそうだったもの」


飼い主さんは「ふふっ」と笑いながら答えてくれた。
そんな顔に出てたの恥ずかしすぎるよ!


「ありがとうございます、モフモフだ……」


撫でてみたらしっかり愛されてるんだろうなって毛並み。
すっごい柔らかくてずっと撫でたくなっちゃうよ。


「ワンッ」

ワンちゃんが嬉しそうに鳴いた。
しっぽをブンブンとふってて、かわいすぎるよ。

わたしもいつか犬飼ってみたいな……。
今は穂高くんっていう大型犬がいるから無理だけど。
 
 
そう思いながら犬から手をはなす。


まだかまってほしいのか、ワンちゃんはキラキラとした瞳でわたしを見つめてくる。