好きになった人は、みんなのアイドルで

ーー悠太郎サイド

「こないだパン研の集まり行ってさ」
「あー美桜ちゃん?おまえのこと好きだもんな」
「そしたらさ、つむぎちゃんもパン研だった」
「お、カフェの子?」
「そう、つむぎちゃんのパンめっちゃ美味くてさ」
「すげーな、パン作るんだ」
「めっちゃ美味かったって言いたかったのにいつの間にかいなくてさ、カフェでめっちゃ話しかけちゃった」
「なに、めっちゃ話し掛けたって(笑)」
「めっちゃ美味かった、いちばん美味かったって……俺、喋りすぎたよなー」
机に突っ伏す。

「いつも女の子に対して冷静沈着、皆のアイドル悠太郎なのに」
「つむぎちゃんの前では普通の男」
見なくても2人がニヤニヤしてるのがわかる。

「……キモかったかな」
「いや、嬉しかったんじゃない?」
「だよね、大丈夫だよね……また食べに来てって言われたし」
「え、また食べに来てって言われたの?」
「脈アリじゃん」

……脈アリ。まじで?そんなことあるか?
って、俺は何を考えてんだ。

パンが美味かっただけ。……あのパン、また食べたいだけだし。

待ってる、って笑ったつむぎちゃんを思い出す。
待っててくれるのか。ちょっとにやけた。