好きになった人は、みんなのアイドルで

ーー悠太郎サイド

「ねえ、今日パン研来ない?」
「美桜(みお)ちゃんパン研入ってるんだっけ。俺、部外者なのにいいの?」
「うん、今日は学食でパン持ち寄って食べる会だから」
「俺、パン好き。行こうかな」

美桜ちゃんは俺が出てたオーディション番組を見ていて
ずっと俺に投票してくれてたらしい。

「決まり!行こ行こ!」
腕を取られる。
ちょっと強引なところもあるけど、悪い子ではない。

学食に入るとパンの良い匂いがした。
「えー!悠太郎くんだ!」
「悠太郎くん連れてきたの?」
「ねえねえ、これ食べてみて」
口々に話し掛けられる。

……こういうの、ちょっと苦手なんだよな。

「これも食べていい?」
「うん、それは1年の子が作ったやつ」
へえ、売ってるやつみたいだな。

「……え、うまっ」

「美味しいよねー、私もこの子のパン好きー」
美桜ちゃんが顔を近づけてくる。
「これ、誰作ったの?」
「あの子」

美桜ちゃんが指さした先には、つむぎちゃんがいた。