好きになった人は、みんなのアイドルで

カランカラン。
「いらっしゃいませー!」
……違った。今日は来るかな。

カランカラン。
「いらっしゃいませー!」
ゆ、ゆうたろうくんだっ……!!!

いつものとおりイヤホンを片耳外してレジに来る。
「つむぎちゃん、おつかれ」
たった数日ぶりなのに、
ずいぶん久しぶりに聞いた気がする。
「おつかれさま、ゆうたろうくん」

「昨日、来なかったね」
会えたのが嬉しくてつい口走る。
「うん、昨日と一昨日レッスン休みだったんだよね」
「レッスン?」
「あ、俺、こっからちょっと行ったとこのダンススタジオでレッスン受けてんの」
「あ、そうだったんだ、だからいつも同じ時間に来るんだね」
「そうそう」

またひとつ、ゆうたろうくんのことを知れた。

「じゃ、アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました!」

明らかに自分のテンションが上がっている。
いつもなら、絶対自分からなんて話し掛けられないのに。

「お待たせしました、アイスカフェラテです!」
「ありがと」 目が合って、ゆうたろうくんが微笑む。

(……今日も、かっこいい)
やっぱり私の目にはゆうたろうくんが発光してるように見える。

うん、好きかも。
……え、待って、今なんて。

今日会えて嬉しかった。
それだけは、ちゃんと覚えておこうと思った。