好きになった人は、みんなのアイドルで

ーー悠太郎サイド

(あ、今日もつむぎちゃんいる)
カフェの外からつむぎちゃんがいるかどうかを確認するのが
いつの間にか習慣になっていた。

「いらっしゃいませー!」
いつもどおりの明るい声。

「つむぎちゃん、おつかれ」
「おつかれさま」
あれ?今日元気ない?

「アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました」

いつもどおりのやり取りだけど、
少し話せるかもなんて期待していた自分が憎い。
ていうか、俺、なに期待してんだろう。

「お待たせしました、アイスカフェラテです」
「ありがとう」
一瞬目が合うけど、ふいっと目を逸らされる。
やっぱり俺なんかした?

今日練習した曲を聴きながら改善点をノートに書き起こす。
……集中できない。
俺、なんかしたのかな。
……やっぱり馴れ馴れしかった?引かれたのかな。
チャラい奴だと思われた?

レジで常連っぽいお客さんと談笑するつむぎちゃん。
……俺にはあんな顔、見せてくれないじゃん。

なんだよ、この感じ……。
小さな違和感が、引っかかって離れなかった。