ウミウシの生態を追って消えた少女



わたしは生前、ウミウシの生態を追っていた。


ウミウシのなかにもいろんな種類がある。水槽の中でどんな弱肉強食劇が始まろうとしているか、真剣だった。


「そんなキモいのよく観察できるよね」
「翠(スイ)ちゃんの生態が知りたいよ」


そんな言葉で飾りとられるウミウシを可哀想だと思う。


懸命に日記に記しては糞をプレパラートに乗せ観察したりしていた。理工学部に所属していた。


彼らは宇宙を観察して夏望遠鏡で皆既月食の日欠けを測ったりしていた。


私とは離れるような距離だった。