遼くんは泣き顔がお好き。



さっきの、なんだったの?

ただその一言が言えず、勝手に気まずくなってしまって遼くんの目が見れない。

そんなあたしの心境なんてお構いなしに、遼くんは隣に並んでゆっくりと息を吐いた。


” 付き合ってないならおかしくない?
触らせすぎなんじゃ無い?”

前に宮尾くんに言われた言葉が不意に頭に浮かぶ。

その言葉に今ならはっきりと答えられる。
おかしいと思う。

友達も後輩も、普通はさっきみたいなことはしない。
あんな風に、甘い声で名前を呼んだりしない。

あたしにとって遼くんって、なんなんだろう。
遼くんにとってあたしって、なんなんだろう。


心のどこかでその答えが出ているような
そんな気がしたけど、なぜかその時のあたしは考えないふりをした。