遼くんは泣き顔がお好き。



考えれば考えるほどわからない。
なんでこんなに遼くんがあたしに執着しているのか。


ミカちゃんたちにハブられるようになってから
遼くんがそばに居てくれて、正直心強かったのが本音だ。
ありがたいとも思ってる。

だけど心のどこかでずっと疑問が消えなかった。

どうしてこの人は、こんなにもあたしから離れようとしないんだろう。
一目惚れしたとかなんとか言ってたけど、きっとそれは適当に言った言葉なんだろうな。


横に並んで歩く遼くんの顔を見上げると、薄茶色の目があたしを見下ろす。
その目をじっと見つめると、遼くんは決まって嬉しそうに目を細める。

なんで?
なんでただ目が合っただけなのに、
そんなに嬉しそうにするの?


「れいちゃんどしたの?なんか話したい?」

「あのさぁ、ずっと聞きたかったんだけど」

「うんうん、なになに?なんでも聞いて」

「遼くんってさ…」


そこまで言って、聞きたいことが沢山あることに気付いた。


なんであたしにずっとべったりくっついて回るの?

なんでいつも一緒にいてくれるの?

なんで泣いた顔が好きだなんて言ったの?

なんで初めて会った時、あたしの泣き顔をみて嬉しそうに笑ったの?


頭の中で次々に浮かんでくる言葉は口から出てくることなく消えた。
その代わりに考えるよりも先に勝手に動いた口が喋ったのは、ただ一言。


「遼くん、前にどこかで会ったことある?」



あたしの言葉を聞いた瞬間、遼くんの顔から笑顔が消えた。