遼くんは泣き顔がお好き。



赤くなった顔をパタパタ仰ぎながらふと顔を上げると、
教室の端でかたまってあたしを見つめるミカちゃんたちと目が合う。

…しまった。

今の、見られてたよね?
昨日の遼くんのあれも嫌味言われたのに、また何か言われるんじゃ…。


そう思っていると、あっちからふいっと目を逸らされた。

あれ?

思ってた反応と違う。

いつもなら、気持ち悪いとか男好きとか
そんな言葉が飛び交うのに。

首を傾げながらそろりと教室へ入ってみるけど
何も言われなかった。


…どうしたんだろう。


「久原さん、おはよー
体調大丈夫?」

「江波さん!!昨日は色々ごめんね、
もう大丈夫だから」

ミカちゃんたちのおかしな態度は気になったけど、
挨拶をしてくれた江波さんと喋っているうちに気づけば頭から消えてしまっていた。