遼くんは泣き顔がお好き。



「…あのさぁ、久原さん勘違いしてない?
今まであたしが久原さんに話しかけたりしなかったの、別にわざと避けてたわけじゃないから。
喋ることなかったから話しかけなかっただけ。
用事があるのに話しかけたらいけないなんて誰が決めたの?」

衝撃だった。
江波さんの言葉はまっすぐに胸に突き刺さって、
今までモヤモヤしてたものがじわじわと薄くなっていく。


「じゃあそんだけだから。」

短く言って席に戻っていく江波さんに何の返事も返せなかった。
そのくらい、あたしにとっては衝撃的な言葉だった。


”わざと避けてたわけじゃないから”

その言葉を何度も繰り返して、
知らぬうちに目の前がじわりと滲んでいく。

この1ヶ月、クラスのみんな敵だと思ってた。
だけど違ったのかもしれない。

敵だと思ってバリアを貼って、過敏に反応していたせいで気づかなかっただけなのかもしれない。


江波さんみたいな人も居てくれたこと。