遼くんは泣き顔がお好き。




中学2年生の時、親の仕事の都合で学校が変わった。
転校先の学校は転校生が珍しい学校だったこともあって、
あたしはそれはもう浮きまくっていた。

はじめは遠巻きに珍しいものでも見るようにあたしを見ていたクラスメイトは、転校して1ヶ月くらい経つとじわじわと嫌がらせをするようになった。
いじめとまではいかないけどされたら嫌な気持ちになるような、絶妙な嫌がらせをたくさんされた。

掃除の時間にあたしの机だけ隅のほうに追いやられたり、
プリント配布のときにあたしだけ飛ばされたり、
提出物があたしの分だけ集められなかったり。


思い出すだけで吐き気がする。

嫌がらせされていると気づいた瞬間の、
足元の地面がスッと抜けたような感覚。

真っ逆さまに落ちていくような、顔から血が抜けていくようなあの感覚。


もう2度と味わいたくない。

高校に入学したら絶対にうまくやってやろう、

クラスメイトを誰よりも早く把握して上手く立ち回って、
あの気持ちを2度と味わうことのないようにしよう。


そう心に誓って入学したのが1年前。

1年生のクラスでは目標通りうまくやれたと思う。
問題はこの2年生のクラスだ。