「ほら久原さん、ちゃんと食べないと…」
「ミヤ、いつのまにこんなに久原さんと仲良くなったわけ?」
「だよな!俺ら話したこともなかったぞ?」
人気のない非常階段でぺたりと座り込んで、あたしたちはお弁当を広げていた。
うなだれたあたしを取り囲むのは宮尾くんとその友達。
明るい頭をして人懐こい喋り方をするのは田道くん。(あだ名はタミらしい)
落ち着いた雰囲気で長身なのが相原くん。
つい一昨日までは、このメンバーでご飯を食べることになるとは思ってもみなかった。
宮尾くんとも委員会が同じっていうだけで、そこまで話したこともなかったはずなのに。
なんで誘ってくれたんだろう。
「あの、あたし邪魔じゃない?」
「なんで?」
「なんで、って…」
逆に聞き返されて戸惑ってしまう。
そもそも男の子のかたまりに女子が入って邪魔じゃないことなんてある?
「良いんだよ、久原さんはそんな気遣わなくて!
俺がもっと話したくて誘ったんだから」
そう言って笑う宮尾くんをひゅーひゅー、なんて言いながらからかう田道くんと相原くん。
この人たちがどんな人なのか、ほとんど知らないけどこれだけはわかる。
きっと、優しい人たちなんだろう。
「…ありがとう。正直あのまま教室に居たらおかしくなりそうだったから、誘ってもらえて嬉しい」
鼻声になりながらもどうにか絞り出すように出した言葉に、宮尾くんたちは「どーいたしまして」と笑った。
