「…ねぇ、結愛の机の上にあるクシ、
あれこの前あたしらに自慢してきてたやつじゃない?
ママが買ってくれたのぉ〜〜とか言って」
「言ってたね。誕生日プレゼントなのぉ〜って言ってた」
「ぶっ、似てる似てる」
ミカちゃんの目がきゅっと細まる。
心底楽しそうに笑うその顔を見ていられなくてうつむいた。
「あれ隠しちゃおうよ」
ミカちゃんの放った言葉に一瞬空気が止まる。
その後あたしの頭に浮かんだのは、ただ一言。
それは違うんじゃない?
「いいねーー、アイツ泣くんじゃない?」
「泣かれてもウザいよね、でも泣かすけど。」
ケラケラと笑うみんなの声がどこか遠くから聞こえるような感覚だった。
”ママにお誕生日に買ってもらったの”
最近話題になっているクシを見せながら、嬉しそうに笑ったユアちゃんが目に浮かぶ。
その瞬間、勝手に口が動いていた。
「それはかなり性格悪くない?」
思わず出たその言葉は、
思っていたよりも大きな声だったようで。
教室に響き渡り、そしてクラス中が静まり返った。
