遼くんは泣き顔がお好き。




この公園で初めてあの子と会ったのは、もう8年くらい前のことなのに。


その間ずっと、あたしのこと覚えてたってこと?


そんなことあるの?


「もう2度と会えないって思ってたから、れいちゃんを見つけた時は本当に嬉しかったし信じられなかった。
それで今こんな風に俺と同じ気持ちで居てくれて、一緒に居てくれて」


夕日に照らされた白い頬が切なそうに歪む。
その顔が泣きそうな顔に見えて、頬に手を伸ばした。


「もう俺本当に泣きそうなくらい嬉しいんだよ。
かっこ悪いけど、これが今の本音」


心底嬉しそうに笑った遼くんは、柔らかく指先を握って手のひらに口付けた。
その仕草を見た瞬間、あたしの中で何かが溢れた。



目の前の大きな身体に飛びつくと、少しもブレることなく受け止められる。
あたしの目線より高い場所にある首に必死でしがみつけば、耳元でふふ、と笑う声が聞こえた。


「遼くん、ありがとう」

「うん?何が?」

「あたしのこと覚えててくれて、ありがとう。
ひとりにしないでくれてありがとう」

「………うん」

「大好きだよ、遼くん」


ちゃんと伝われ、
今のあたしの気持ち。

つたない言葉でしか話せない自分にもどかしい気持ちもあるけど、もう良い。

最後に言った言葉があたしの全部だ。