遼くんは泣き顔がお好き。



口に出して初めて自覚するなんて、
なんて鈍いんだろう。

あたしは遼くんのことが好きだったんだ。


理解した瞬間、ぶわっと顔に熱が集まるのを感じた。


好きな人に好きだと伝えることが、こんなにも恥ずかしくてこんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。



「…っ、れいちゃんっ!!」


飛びついてきた遼くんにぎゅうっと抱きしめられる。
恐る恐る背中に手を回すと、遼くんがひゅっと息を呑んだ。
なだめるみたいに大きな背中をさすると、抱きしめられる腕に更に力がこもったのが分かった。


「大好きだよれいちゃん」

甘くて低い声が鼓膜を揺らす。
その声を聞いているだけで、とろりと目が溶けていくのが分かった。


「…あたしも好きだよ、遼くん」


その言葉に満足そうに笑った遼くんの声が、
どうしようもなくくすぐったくて。

抱きしめられた腕の中で、小さく身じろぎをした。