遼くんは泣き顔がお好き。




ホームルームが終わったあたしは、1年生の教室へすかさず走り出す、


ことができなかった。


教室を飛び出そうとしたあたしの首根っこを引っ掴んだ担任に、職員室へと引き摺られて雑用を頼まれたせいで。


「話聞いてなかった罰。
これ、技術室に運んどいて」

「え、これ全部?!多すぎ…っ」

「文句言わない。ホラ、さっさと行く!」


両手いっぱいに抱えさせられたダンボール箱を持って職員室を出る。
前が見えるか見えないかギリギリなんですけど。


なんでこんな急いでる時に限って…!!!



「…しゃーない、技術室行ってから1年生の教室に行こう」


ひとり呟いて、なるべく早歩きで技術室へと向かった。






「…腕がしんどい」

ヨロヨロと歩くあたしの目の前にようやく現れた技術室へと続く階段。

ここを降りれば、すぐに技術室だ。


そう思って足を踏み出した瞬間、
ガクンと目の前が揺れた。


あ、しまった。

足元が見えないのに適当に足を進めてしまったから、
階段を踏み外してしまったらしい。


落ちる。




そう思ってギュッと目を閉じた瞬間、
お腹に回った腕で思い切り引き上げられた。