遼くんは泣き顔がお好き。



「…もしもし?遼くん?
どうしたの、こんな時間に」

「…れいちゃん、今日何してたの?」


突然の質問に声が詰まる。
今日何してたかって、
宮尾くんとー…


そこまで考えて首を振る。
なんとなく、言えないと思ったから。

言えないって言うよりは、言いたくなかった。


「家に居たけど
なんで?」


平静を装って答えた声は、少しだけ震えていたような気がする。
遼くんは鋭いから気づいてるんじゃないだろうか。

握りしめた掌が汗でずるりと滑るのが気持ち悪くて、
誤魔化すように布団を握った。


「………家?
なんで嘘つくの」


小さく聞こえて来た言葉に思わず目を見開いた。


「今日ね、俺見たんだよね
れいちゃんと宮尾センパイが一緒に居るの。」


なんの抑揚もない声が、鼓膜を震わせる。
なんで、どうして。

「………付き合ってるみたいに楽しそうだったね」


その言葉を最後に、電話は途切れた。