薄暗くなり始めた外の景色を眺めつつ、靴箱へと向かう。
案の定話すことがなくて内心冷や汗をかいているあたしとは対照的に、飄々とした様子で横を歩く宮尾くん。
…ああ、瞬間移動でもできたらいいのに。
この気まずすぎる下校時間が今すぐなくなればいいのに。
「…なんで白目剥いてんの久原さん」
ぶは、と吹き出した声の方に顔を向けると、
宮尾くんの後ろに誰か立っているのが見えた。
「あ、あれって…」
「ん?何…あれ?あの子昼休憩のときにミカが言ってた子じゃん」
横を向いてるせいで顔ははっきりと見えないけど、
確かにそうだと思う。
スッと通った鼻筋と長いまつ毛、スラリと長い手足。
見慣れているブレザー姿なのにやたらとシュッとして見える。
「はー…あれはカッケェわ。
男の俺から見ても綺麗な顔してんなって思っちゃうし」
「…だね。オーラが違うというか」
「1年生どころが学校中で取り合いされそうなイケメンだな、美澄クン」
「宮尾くんも取り合いされてんじゃん、クラスの女の子たちから」
「でた、久原さんのテキトー」
ほら行こう、と笑った宮尾くんに頷いてローファーに足を突っかける。
外に出るとますますひんやりとした空気が身に染みて、
小さくくしゃみをした。
