「……おーい。
聞いてる?久原さん」
目の前でひらりと振られた大きな手に、大げさに肩が震えた。
ひんやりと涼しい店内には、可愛らしい格好をした女の子や大学生くらいの男の人、若いOLっぽい人の姿。
宮尾くんリクエストのお洒落カフェは、最近評判のお店だったらしく店内は人でいっぱいだった。
「ごめん、なんだったっけ?」
「海で撮った写真、送るねって話。」
……海。
1学期最終日、海に行ったあの日から早2週間が経っていた。
あれから一度も遼くんと連絡を取っていない。
毎日毎日飽きもせず、くだらないことを送って来てたメッセージも1学期最終日の日付のまま止まってる。
どうしてあの時あんな顔してたのか、
気になってるのに聞けない。
ただただあの顔が目に焼き付いて、2週間経った今でも頭から離れてくれない。
