別れたはずのママとパパは、愛しの三つ子ちゃんに振り回されています

 仕事は充実していて楽しいけれど、どうしてもこうやってひとりになると稔さんのことを思い出して悲しくなっていた。
 そんな私をみかねて神様がプレゼントしてくれたのだろうか。
 考えれば考えるほど、そう思えてならない。それなら私は授かった命を守るだけだ。
 仕事はいつだってなんだってできる。今はこの子たちのために頑張ろう。
 次の日、私は会社に妊娠の報告をして退職願を出した。そして日本に帰国後、受け入れてもらえるか不安でいっぱいになりながら伯母夫婦を訪ねたところ、三人は温かく歓迎してくれて、妊娠のことを告げ、助けてほしいとお願いした。
 三人は最後まで私の話を聞いてくれて、そして「私たちを頼ってくれてよかった」と言ってくれたのだ。
 父親については言及されることなく、四人で大切に育てようと言ってくれた時は涙が止まらなかった。
 それから私は伯母夫婦が営む青果店を手伝いながら、出産に向けて準備を進めていった。後にお腹の中には三人の命があることが判明し、伯母夫婦は喜んでくれた。
 ご近所さんからもほかの妊婦よりもお腹が大きいため、なにかと声をかけられ、三つ子であることを伝えると出産を楽しみにしていると温かい言葉をかけてもらえた。
 予定日より二週間早い日に、帝王切開にて無事に三つ子を出産した私は、三人の母親となった。

 そして、今現在に至る。
 福岡空港まで迎えに来てくれた健吾君と三つ子とともに、住み慣れた伯母夫婦の自宅へと戻った。
 みんなと手を繋いで家に入ると、すぐに伯母夫婦が出迎えてくれた。
「おかえりなさい、那奈ちゃん」
「結婚式はどうだった? 少しでも楽しめたかい?」
「はい、おかげさまで。……大変でしたよね?」
 ふたりは笑顔で出迎えてくれたが、疲労の色が見え隠れしている。
「いやいや、全然だよ。まぁ、三つ子たちが元気すぎてついていけなかっただけだ」
「二歳半の健吾も、あんなにわんぱくだったかしら」
 これは本当に相当な迷惑をかけたようだ。当の三つ子たちは、そそくさとリビングに行き、車内で渡したお土産のお菓子の包みを破いているようだ。
「まったく、あいつら……」
 ため息交じりに言いながら、健吾君はリビングに向かう。そしてリビングからはさっそく食べようとした三つ子たちに「まずは手を洗え」と注意している。
「健吾はすっかりあの子たちの父親代わりね」
「はい、すごく助かっています」