こうやって何気ないことで笑い合って、これからも彼と幸せを感じていきたい。この時は心からそう願った。
でも幸せな日々はそう長くは続かなかったんだ。
それは稔さんとデートをした三日後のこと。
乗務を終えてオペレーションセンターへ戻っていたところ、声をかけられた。
「お疲れ様」
「お疲れ……様」
私に声をかけてきたのは福本さんで、挨拶を返す途中で言葉を失う。
彼女とは同期という関係だが、特別親しいわけではない。ただ挨拶を交わす程度の仲だ。
「勤務はもう終わりよね?」
「そうだけど……」
なにかを企んでいそうな表情に警戒心が募る。そもそもなぜ私に声をかけてきたの? もしかして稔さんとの関係に気づかれた?
様々な考えを巡らせていると、福本さんは「話があるの」と言って先に歩き出した。
彼女の話が何なのかわからないから不安だけれど、とにかくついていくしかない。後に続いてロビーからオペレーションセンターへ繋がるドアを潜り、廊下を進んでいく。すると福本さんが入ったのは会議室だった。
暗い室内に明かりを灯し、私も中に入ったのを確認してドアを閉めた。逃げられない状況に緊張が増す。
シンと静まり返る室内で、福本さんは冷めた声で言った。
「回りくどいことは嫌いだから、単刀直入に言わせてもらうわね。……今すぐに瀬戸さんと別れて」
やっぱり話って稔さんのことだったんだ。でも、今まで誰にも付き合っていると気づかれなかったのに、どうして?
とにかく別れてと言われて、わかりましたなんて言えない。簡単に諦められるほど軽い気持ちで彼と付き合っているわけではないから。
負けることなく自分の気持ちを伝えようとしたが、私より先に福本さんが口を開いた。
「この前、偶然見ちゃったのよ。平林さんと瀬戸さんが手を繋いで歩いているところを! 最初は信じられなかった。私が何度告白したって瀬戸さんは、大切な存在がいるからって断られていたのよ? さぞ綺麗で完璧な女性だと思っていたのに、まさかあなただったなんてっ……!」
悔しそうに唇を噛みしめた福本さんは、鋭い目を私に向けた。
「どう考えたって瀬戸さんに不釣り合いじゃない! なにひとつ私が負けていないのに、どうしてあなたなの!?」
怒りのこもった声に、怯みそうになる。でも……。
でも幸せな日々はそう長くは続かなかったんだ。
それは稔さんとデートをした三日後のこと。
乗務を終えてオペレーションセンターへ戻っていたところ、声をかけられた。
「お疲れ様」
「お疲れ……様」
私に声をかけてきたのは福本さんで、挨拶を返す途中で言葉を失う。
彼女とは同期という関係だが、特別親しいわけではない。ただ挨拶を交わす程度の仲だ。
「勤務はもう終わりよね?」
「そうだけど……」
なにかを企んでいそうな表情に警戒心が募る。そもそもなぜ私に声をかけてきたの? もしかして稔さんとの関係に気づかれた?
様々な考えを巡らせていると、福本さんは「話があるの」と言って先に歩き出した。
彼女の話が何なのかわからないから不安だけれど、とにかくついていくしかない。後に続いてロビーからオペレーションセンターへ繋がるドアを潜り、廊下を進んでいく。すると福本さんが入ったのは会議室だった。
暗い室内に明かりを灯し、私も中に入ったのを確認してドアを閉めた。逃げられない状況に緊張が増す。
シンと静まり返る室内で、福本さんは冷めた声で言った。
「回りくどいことは嫌いだから、単刀直入に言わせてもらうわね。……今すぐに瀬戸さんと別れて」
やっぱり話って稔さんのことだったんだ。でも、今まで誰にも付き合っていると気づかれなかったのに、どうして?
とにかく別れてと言われて、わかりましたなんて言えない。簡単に諦められるほど軽い気持ちで彼と付き合っているわけではないから。
負けることなく自分の気持ちを伝えようとしたが、私より先に福本さんが口を開いた。
「この前、偶然見ちゃったのよ。平林さんと瀬戸さんが手を繋いで歩いているところを! 最初は信じられなかった。私が何度告白したって瀬戸さんは、大切な存在がいるからって断られていたのよ? さぞ綺麗で完璧な女性だと思っていたのに、まさかあなただったなんてっ……!」
悔しそうに唇を噛みしめた福本さんは、鋭い目を私に向けた。
「どう考えたって瀬戸さんに不釣り合いじゃない! なにひとつ私が負けていないのに、どうしてあなたなの!?」
怒りのこもった声に、怯みそうになる。でも……。



