腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

そんな風に冷めた目で見ている人間と結婚をあっさり決めてしまえるなんて、信じられなかった。
世の中には、そんな冷めた割り切った考えで一生のことを決めてしまう人がいるという事実がショックだった。
ここまで考えると、ちょっと前なら悲しくて泣いていた。
でも今は何も感じない。はるか昔の黒歴史を思い返しているくらいの気分だ。
それだけ、一真さんとの日々に幸せを感じているってことなんだな。

退勤時間になったのを確認して、私はデスク周りを片付け始めた。
そのとき、スマホが震えた。

【ごめん。急で本当に申し訳ないんだけれども、予定を変更させてもらえないだろうか】

一真さんからだった。
もしかしたら、食事、キャンセルになるかな?
胸が少しチクリと痛んだけれども、一方でほっとなった。
もちろん一真さんと会えないのは寂しいけれど、私も新しい担当先を託されてますます仕事が充実していた。作りかけの資料を今夜中に完成させられるかもしれない。
そう思っていると、続きのメッセージが届いた。