「本当に立派な男です。あなたような女性と婚約できるのも無理はない。正直言うと、あなたの凛とした美しさはみんなの目を引きましたよ」
「いえそんな、お世辞は……」
「お世辞ではありません。ひとりだけ控えめながらも凛としていて、かえって目立ちました。あなたと一真はお似合いの夫婦だ。……でも、余計な心配化とは思いますが、あなたがつらい思いをするんじゃないかと、心配です」
「え?」
「医師と言う仕事に自由はない。つねにプライベートより患者を優先しなければならない。妻との時間が取れないのは、私もよく実感しているところです」
何を言いたいのだろう……。
嫌な予感を覚え始めている私に、片山さんは淡々と続けた。
「ですが、医者になる男は少し特殊ですからね。様々な患者に目を配るのと同じように、欲望も複数の人間で解消することができるのですよ。ここだけの話、妻以外の女性と関係を持つ医師がいるのは事実です」
多田外科部長のことがよぎったけれども、すぐに打ち消す。
「一真さんはそんな男性ではありません」
「そうでしょう。ではあなたはどうですか?」
「は?」
「彼は何よりも仕事を優先するでしょう。きっと、あなたよりも」
何も言い返せなかった。
患者と私。
この選択の時、彼はきっと患者をとるだろう。
私もそうあってほしかった。理性の上では。
「いえそんな、お世辞は……」
「お世辞ではありません。ひとりだけ控えめながらも凛としていて、かえって目立ちました。あなたと一真はお似合いの夫婦だ。……でも、余計な心配化とは思いますが、あなたがつらい思いをするんじゃないかと、心配です」
「え?」
「医師と言う仕事に自由はない。つねにプライベートより患者を優先しなければならない。妻との時間が取れないのは、私もよく実感しているところです」
何を言いたいのだろう……。
嫌な予感を覚え始めている私に、片山さんは淡々と続けた。
「ですが、医者になる男は少し特殊ですからね。様々な患者に目を配るのと同じように、欲望も複数の人間で解消することができるのですよ。ここだけの話、妻以外の女性と関係を持つ医師がいるのは事実です」
多田外科部長のことがよぎったけれども、すぐに打ち消す。
「一真さんはそんな男性ではありません」
「そうでしょう。ではあなたはどうですか?」
「は?」
「彼は何よりも仕事を優先するでしょう。きっと、あなたよりも」
何も言い返せなかった。
患者と私。
この選択の時、彼はきっと患者をとるだろう。
私もそうあってほしかった。理性の上では。



