腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない



一真さんとお付き合いして半月程がたった。

お互いに忙しく、特に彼は休みでも緊急に呼び出されることもあるため、あまり長いデートをできていない。
初めてのデートだった公園巡りデートが一番長く過ごした時間だと思う。
でも私と一真さんは忙しい合間にメッセージや電話などのやりとりをして、少しずつ思いを確かめ合っていた。

日田総合医療病院ではすでに浸透しているけれども、私と一真さんが正式に婚約関係にあることは、それ以外の周囲には公言していなかった。
私の職場と両親には、広士との結婚が破棄になったのを知らせたばかりだから、あまりすぐに知らせても悪い印象や心配をされる可能性もあった。
だからもう少し時間をおいてからにしようと一真さんと話していた。

でもこの前家でも話された通り、一真さんは私と夫婦としての関係を築きたいと強く思ってくれている。
一真さん側の周囲にはもっと婚約したことを公言したいのかもしれない。
現実的な話で考えても、日田総合医療病院内に知れわたっているなら、他の場でも公表しなければ示しがつかない。
そんなことを考えていた矢先だった。

「お願いがあるんだ」

一真さんとひさしぶりのディナーのあと、彼が改まった様子で言った。