腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

「こんなこともあろうかと思い買ってきたよ。これで少し休憩するといい」
「わぁ、おいしそう!」
「昨日研究会に出た帰りにおいしそうな店を見つけたので買ってきた」
「ありがとうございます」
「たくさん買ったからおかわり自由だよ」
「太っちゃいますよ」
「太ったくらいで、俺が君に愛想つかすと思った?」

微笑むと、俺も自分用のマフィンセットを手に持った。

「じゃあ俺も別室で論文執筆に集中するよ。自由に過ごすといい」

お礼の言葉を述べる清那を残して、俺は仕事部屋に入った。
仕事用PCを開く前に、スマホにメモを入力する。
マフィン好きそうでよかった。

甘いものが好きと聞いていたから、彼女が好きそうなスイーツが売っている店をSNSで調べるのが日課になっていた。
たまたま今回の研究会会場の近くにピックアップしていた店があって良かった。
彼女の嬉しそうな顔を見て、ほっこりと胸が温かくなる。
泣き顔も可愛いけど、笑った顔がもっと好きだった。
我ながら溺愛ぶりに感心する。
仕事以外にこんなに夢中になったことなんてなかった。
言葉にできない幸福を噛みしめる。