腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

俺は実家も同じような高層マンションだったため今まで気にしていなかったが、彼女が嫌なら引っ越すのも検討しなければ。
次は緑が多い庭付きの一軒家がいいだろうか。
物件探しをするときは、彼女と一緒に行きたい。
そんなやりとりを終えると、清那はすぐにPCを広げて仕事を始めた。
そして今に至る。

さっきから俺の忍耐は限界に来ていた。
好きな子がこんなにそばにいるのに、話しかけることもできないなんて。
もう数時間は経ったし、休憩してもいいころだ。

「清那、隣に行ってもいいか?」
「え、あ、はい」

俺は彼女のとなりに座ると、さりげなく背中に手を添えた。

「そろそろ何か食べに行かないか? 仕事はもう終わりそう?」
「ごめんなさい、まだ……」
「じゃあ今夜までかかりそうか?」
「いえ……明日までかかるかと」
「じゃあ明日も家に来る?」
「え……! あ、たぶん……」
「たぶん?」

彼女の返答がしどろもどろなのは、俺がその耳元で低く囁いているからだ。
耳まで赤くなっている。
白い首筋がどくどくと脈打っているのも、いじらしい。