腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

「花が咲くシーズンには、池との眺望が映えるって人気だそうだよ」
「わかる気がします。庭園の緑が気持ちいいですね」

うららかな日差しが気持ちいい一日だった。
普段仕事に追われ、ビルの中を走り回っている身としては、緑や青の鮮やかさが胸に沁みる。
それは先生も同じだったみたいだ。
日差しを吸収するように背伸びして、深呼吸する。

「あーいいな。たまにこういうところに来るのも」
「本当ですね。緑が優しくて私も癒されます」

ほうとつられて深呼吸する。
そんな私を、先生が微笑んで見つめた。

「ところで、いつまで敬語でいるわけ?
「え?」
「俺たち、恋人同士なんだけど」

強力なワードを先生の口から聞いて、かぁああと顔が赤くなる。
もちろん恋人だという認識はあるんだけれども、こんな素敵な人がだなんてって、いまだに信じられないのだ。

「すみません、なかなか慣れなくて」
「まぁそういうところも好きなんだけれどね。少しずつ変わってくれればうれしいよ。でも俺を『先生』って呼ぶのはすぐに直してほしいな」

はいとうなずいたものの、困る。