腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない


鏡の前で最終チェックをする今日の私は、いつものパンツスーツ姿ではなかった。
淡いブルーとふんわりとした素材がきれいなシャツワンピースに、小さくてかわいいショルダーバック。
いつもはストレートを縛っているだけのヘアスタイルも、緩くカールして軽く結って、肩に流れるようにした。
ワンピースの色に合わせたピアスも、仕事の時より大ぶりで揺れるものにしたから、なんだかすこし落ち着かない。

今日は先生との初デートだった。
広士とは同僚関係から入って付き合いも長くなっていたため、最近はあまりファッションに気を使ってこなかった。
でも先生の前では、そうはいかない。

先生は車で迎えに来てくれた。
外車から降りてきた先生は、今日は白衣に変わってネイビーのジャケットを羽織っていた。
優しげで穏やかないつもと変わって、年上の洗練された男性にみえて、会った瞬間からドキドキする。
先生は私を見るなり顔をほころばせた。

「すごくきれいだ」
「……ありがとうございます、お世辞でもうれしいです」
「お世辞なわけないだろ」

外車を背にしたかっこいい男性の姿に、通行人の視線が集まる。

「じゃあ乗って?」
とエスコートして開けてくれた助手席に、私はいそいそと乗り込んだ。