腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

私は先生の特別な存在。
誰にでも優しい先生が、キャリアも捨ていいと思うほどに、大切な……。

呆然として涙も止まった私を、先生は優しく包み込んだ。

「これからも守らせてもらえないか?」

涙に詰まってうまく返答ができない。
代わりに、私は先生の広い背中に腕を回した。
息も止まりそうなほどに強く抱きしめられて、私はようやく幸せを噛みしめる。
鷹宮先生のことが好き。
この人を信じて、一緒に新たな日々を歩みたい。




その数日後、先生が食事に誘ってくれた。
私はすぐに応じた。
素敵なディナーの後、先生は改めて交際を申し込んでくれた。
もちろん、笑顔で了承した。

「嬉し泣きはしないのか?」
「しませんよっ」

べっと舌を出した私に先生は顔をほころばせると、しみじみと言った。

「それは俺の方か」

その言葉から冗談は感じなかった。