腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

無事容体は落ち着いたことが伝えられた。
おばあさんと私は手を取り合って喜んだ。

気付けばお昼になっていた。
予定が変更になった分、午後からのデスクワークは集中してやらなければ。
何か胃に食べ物を入れていこう思ったけれども、緊張がまだ解けておらず、食欲がでない。
せめて軽いものでもつまもうと病院併設のカフェでサンドイッチとコーヒーを注文した。

「お疲れ様」

仕事のノートPCを眺めながらコーヒーをすすっていたら、不意に話しかけられた。
鷹宮先生が立っていた。

「先生、お疲れ様です……!」
「きみこそ、今日は本当にありがとう。資料はすごく役に立ったよ」
「よかったです。奥様もすごく喜んでいらして、私もほっとしました」
「ああ、その点も担当医だけでなく科の看護師も感謝していたよ。今日は人手が足りなくて、奥さんへのケアが満足にできなかった」
「そうでしたか。すこしおせっかいかなとは思ったんですが」
「いいや」

そういって私を見つめてくる目は、なんだかこちらが気恥ずかしくなるくらい優しかった。