腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

愕然とする私に、先生は口端を上げた。

「気づかなかった? 俺ってけっこう腹黒なんだよ」

その爽やかな笑顔は、くらくらするほどかっこいい。

「どうか、俺にチャンスをくれないか。君を幸せにしたい」

熱いまなざしでまっすぐ見つめられて、頬が火照る。
暴れ出しそうなほどに胸がうるさく高鳴る。
完全にパニックに陥った中で出た言葉は、まるで業務連絡のようだった。

「……承知しました。ではよろしくお願いいたします」

とりあえず……お得意先の要望にはまず応える。
対処はそのあと考える。
仕事と恋愛はぜんぜん違うけど。
こうして先生の溺愛猛攻が始まった。




それから数日後。
私は気を引き締めて、日田総合医療病院へ足を踏み入れていた。